フアヒネ空港

その6:フアヒネ編 (12/25〜27)


●ペンション・マウアリイ

ペンション・マウアリイ1 ペンション・マウアリイ2  12月25日の朝早くにホテル・ボラボラをチェックアウトし、ホテルのシャトルボートで空港へ。ラグーンリゾートのものよりちょっと小振りのボートです。いよいよボラボラ島を離れ、次の目的地フアヒネ島へ向かいます。窓からボラボラ島のラグーンの綺麗な景色が見えます。その向こうには、2日後に訪れる予定のタハア島が次第に近づいてきます。よーく目をこらして見ると、宿泊予定のヴァヒネ・アイランド・リゾートの水上バンガローがちっちゃく見えています。その先のライアテア島を見つつ左に反れ、あっという間にフアヒネ着。20分弱のフライトです。それから迎えの車に乗って約30分で、ペンション・マウアリイに到着しました。

 ここは一泊1万円程度の中級ペンション、昨日までの豪華ホテルのようには行きません。外から見たときは、なかなか洒落た雰囲気のバンガローだと思ったのですが、中に入ってみると、ちょっと薄暗くて、虫なんかもたくさんいそうな感じです。まあともかくチェックインしてひと休みしながら、今後の予定を考えることにしました。ここまでアクティビティーというのに全然参加してないので、明日あたりに何か参加してみようと思い、宿のオーナーらしき兄ちゃん(超ハイテンションで喋りまくる、でもとてもいい人でした)に聞いてみると、島を一周するカヌークルーズというのがあるとのこと。しかも、途中から4WDツアーに移ることも可能とのこと。さっそくそれに申込みます。それから宿のレストランで昼食。部屋のジメッとした雰囲気とはうらはらに、食事のレベルはとても高く、ちょいと先の別のペンションあたりのお客さんも食べに来ているようです。

 午後はカヤックにでも乗ってみようと思ったのですが、あいにく貸し出し中。仕方がないので浜辺を散歩したりして過ごします。イギリスから来た一人旅のおじさん(50代ぐらいなんだけどプログラマーらしい)と仲良くなったりして、こじんまりした宿ならではの時間を過ごしていると、夕方になってカヤックが戻ってきました。するとそのおじさん曰く、宿の前の海は深くなってて珊瑚とかもあまりいないけど、300mぐらい沖までいくととても綺麗だとか。時間が遅いのでどうしようか迷ったのですが、せっかくなので出かけてみることにします。ラグーン内はまったく波がなく、カヤック初心者には最高のコンディション。ボラボラでは、パス(外洋につながっているところ)に近かったので多少の波があったのですが、ここは本当に外洋から完全に遮断されているといった感じです。で、15分ぐらい頑張って漕ぐと、いきなり水の色が濃紺から薄緑になって、珊瑚がたくさん見えてきました。なるほどこのことかと納得しつつ、周囲を眺めたり写真をとったりして、それからゆっくりと宿に戻りました。

 夕食もとても美味しく、ここまでは良かったのですが、その後部屋に戻ってからが大変。なにしろ虫が多いのです。既に蚊には随分刺されてしまい、徐々に痒みが襲ってきます。ボラボラで「念のため」と思って買った痒み止めが大活躍。それでもとにかく耐えられないので、まだ早いのですが、蚊帳が張られたベッドの中に退避して、そこでガイドブックなど見つつ夜を過ごすこととなってしまいました。ふとベッドの上を見ると、蚊帳の天井の布の上を、ヤモリが3匹這っているのが見えます。ヤモリって腹の側から見るとピンク色してるんですよね。まあ噛まれるわけでもないし、と諦めてそのまま就寝。

●カヌークルーズ&4WDツアー

 翌朝、食事が済んだ頃にツアーの迎えのバスが来ました。バスで空港方面に戻って約20分、島の中心地ファレの町につきます。ここからカヌークルーズがスタート。屋根つきエンジンつきの全長10mぐらいのカヌーにお客さんは10人ぐらい(日本人は我々だけだった)、それに操縦士(寡黙なおじさん)とガイド(元気いっぱい関西風のおばさん)の2名が乗り込みます。天気がちょっと悪いのが残念ですが、まったく泳げないというほどでもなさそうです。まずは港を離れ、島の外観と名前の由来などの説明を聞きながら、第一のシュノーケリングポイントを目指します。手頃な場所を見つけて船を止めると、さあどうぞ泳いでください、ということで、お客さんそれぞれ道具をつけてシュノーケリング開始。まあボラボラで散々綺麗な海と魚を見たあとなので、感動!というほどではありませんが、それでもやっぱり海は綺麗だし、魚も沢山います。30分ぐらいシュノーケリングを楽しんだら、次のポイントへ移動。次のポイントはラグーンの外縁の近くでちょっと浅くなっていたので、途中で泳ぐのをやめて歩いて外洋の近くまで行ってみたりもしました。浅いところでのシュノーケリングは、珊瑚で怪我をしそうでちょっと怖いですね。で、ここにもやはり30分ぐらいいて、更に移動します。この先は天然のエイが沢山いるポイントのようで、ガイドさんが「ほら右側に!」とか「左側!」とか指さすたびに、大きなエイがスーッと通っていくのが見えます。

 しばらく進んだら、沖合いのモツに船をつけ、みんなで上陸。どうやらここで昼食のようです。テーブルセッティングをしながら、もってきた食事を並べています。さらに、そのへんに落ちているココナツの実を拾い、綺麗に割ってジュースを飲んだあと、内側の実の部分を削り出して、野菜と一緒に和えてマリネを作ったりもしていました。準備をしている間、蚊がたくさん寄ってきて大変なのですが、ガイドさんがおもむろにココナツの葉っぱを集めたかと思うと、それに火をつけました。どうやらこの煙が蚊とり線香の代わりになるようです。こうしてどうにか蚊の襲撃もかわし、みんなで昼食。タヒチの家庭料理みたいな感じなのですが、わりと日本人の味覚にあった感じで、「これって肉じゃがみたいだね」とか言いながら食べていました。

 食事が終わって再び船に乗り込むと、しばらく進んで本島に接岸。このままカヌークルーズを続ける人たちと別れて、4WDツアーに向かうことになります。お客さんは、我々夫婦の他にカップルがもう一組。4WDの荷台を改造した座席に4人で乗り込みます。ガイドのおじさんは、南国風の顔立ちながらも、知的で真面目な自然解説員風の雰囲気です。最初のポイントにつくと、「このツアーでは、フアヒネ島の歴史や自然について私がいろいろと説明します。わからないことがあったら何でも質問して下さい」と極めて真面目なコメントで始まり、島の歴史について延々と語り始めました。ずっと英語でこの長い説明を聞くのは疲れるなあ、ところどころ聞き取れなかったりもするし、と思いつつ、でも話の内容はなかなか面白く、台風で壊滅したホテル跡とか、大ウナギの餌付けとか、バニラ園とか、マラエ(宗教的な遺跡)とか、定番の観光スポットを一通り見せてもらった後で、最後は外洋に面した浜辺を4WDで爆走して一日のコースが終了。そのままペンションまで送ってもらい、ガイドさんと別れました。

 今日の夕食もなかなか美味しく、部屋に戻ってのんびりしていると、徐々に手や足に痒みが出てきます。今日の後半は何しろ山の中森の中を走り回ったので、かなりあちこち刺されたようです。泳いだ後で、手足を十分に隠していなかったのも災いしました。昨日より更にエスカレートした痒みに呻き声をあげつつ、今日もヤモリの腹を見ながらの就寝となったのでした。


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