ホテルメリディアン

その8:タヒチ本島編 (12/29〜30)


●タヒチ本島へ帰還

 ヴァヒネ・アイランド・リゾートからの送迎船に別れを告げ、何もないライアテアの空港で1時間ほど待つと、パペーテに戻る飛行機がやってきました。十数人の乗客が乗り込むとすぐに離陸するのはいつもの通り。眼下にはライアテア島とタハア島、そしてやや離れてボラボラ島が見えています。それらの島を少しずつ離れていきながら海の上を飛ぶこと約40分、パペーテ・ファアア国際空港に帰ってきました。エアータヒチの小さな飛行機ともこれでお別れです。それにしても、最初に到着したときはあれほど小さく見えたファアア空港のターミナルが、今ではなんて豪華なんだろうと感じるようになってしまいました。

 空港からはタクシーでホテル・メリディアンへ。パペーテの街とは反対側の静かな方へ向かい、海岸沿いに20分ぐらい走るとホテルに到着です。さすがにこれまでの離島のホテルとは違い、ホテルらしい大きな建物がそびえたっています。ここでは通常の客室に宿泊。窓から見てみると水上バンガローもあるようですが、ボラボラやタハアの目を見張るような世界から帰ってきた目で見ると、むしろ水上バンガローは中途半端な感じで、本館の綺麗な客室の方が落ち着けます。メリディアン本館の建物は、中庭に面したレストランの屋根に水が張られて池のようになっていて、上から見下ろすとなかなか綺麗です。

 荷ほどきをして落ち着いたら、ホテルの近辺をちょっと散歩。スーパーを見つけて、お土産やら何やら買い込みます。(新婚旅行なので、それなりに沢山おみやげを買わなければなりません)それからその隣りのイタリアン・レストランで夕食。何の情報もなく飛び込みで入ったわりには、なかなか美味しい夕食を取ることができ、満足してホテルに帰ったのでした。

●タヒチ島一周ドライブ

ヴィーナス岬  翌日は、帰りの飛行機の出発が真夜中なので、レンタカーを借りて一日観光しようということになりました。夜中のフライトを待つ間、どこかのホテルのデイユースでもしようかと思っていたのですが、なんとこのメリディアンには、チェックアウトした後の客が無料で使えるデイルームがあるとのこと。さっそく見せてもらうと、15畳ぐらいの部屋にソファーやテレビがあり、バスルームも完備。「深夜出発のお客さんが大勢みえて、込み合うかもしれませんが」と言われたのですが、部屋の綺麗さには文句がないし、ここで出発を待つことに決めてしまいました。それからレンタカーの予約を頼んだのですが、あいにくお昼にならないと迎えの車の手配ができないとのこと。そこで、それまで約2時間、妻は買い物、私はホテルのプールで泳ぐということで別行動となりました。

 ここのホテル、ビーチはどうもパッとしないのですが、プールはなかなか凝っています。砂が敷きつめてあって、プールサイドが遠浅のビーチのような造りになっているのです。しばらく泳いでからプールサイドに寝そべってあたりをボーッと見ていると、あらまあトップレスの女性があちらにもこちらにも。これまで他の島で見かけることはなかったのですが、なぜかタヒチ本島の方が皆さん開放的なんでしょうか。

 そうこうしているうちにお昼になり、レンタカー会社の迎えがやってきました。オフィスは空港内にあるので、昨日来た道をそのまま戻ります。着いたのは普通のレンタカー会社。メリディアンで予約したとはいえ、一般の会社の一番安いクラスということで、ちょっと年期の入った緑色のフィアット・パンダでした。ホテル・ボラボラで借りた綺麗な車と比べると随分違いますが、まあちゃんと走れば文句はありません。空港近くのカフェで昼食を取ったあと、まずはパペーテの中心街に向かいます。

 今日は日曜日なので休みの店が多く、街もちょっと静かな感じですが、ガイドブックによると「日曜でも空いている店が多い」というヴァイマ・ショッピングセンターの近くに車を停め、買い残しのお土産さがしに向かいます。どうもひっそりとしてどの店も閉まっているようで不安になりましたが、奥の方まで進むと何軒かのお土産屋さんなどが開いていました。ここで妻の希望により、タヒチ名物・黒真珠の店でじっくりとお買い物。時間をかけた甲斐があり、十分に納得のお土産を見つけることができたようで、あとはパレオやら絵葉書やらココナツ石鹸やら、いろいろ買いこんでショッピング終了。日曜日にしてはなかなかの戦果です。

ファアルマイの滝  肝腎のドライブが始まる前に、もう2時を過ぎてしまいました。とにかく「さあ島を一周するぞー」ということで、ショッピングセンターを出発。パペーテの街を脱出し、一路島の東側を突き進みます。最初の目的地はヴィーナス岬というところです。風光明美な岬らしいのですが、駐車場には地元の人らしい車がいっぱい。みんな海水浴客のようです。車を停めて浜に出てみると、あらまあびっくり地元の人たちで溢れんばかりの大賑わいです。街が閑散としていると思ったら、みんなこんなところに遊びに来ていたのか(ちょっと大げさ)。そしてここにもトップレスの人がたくさん。海が綺麗なので記念写真を取ろうと思ったのですが、迂闊な方向にファインダーを向けると、怪しい人と勘違いされてしまいそうです。(右上の写真を目をこらしてよ〜く見てみると‥‥‥残念ながら何も見えません)

 我々は泳ぐつもりはないので、早々に退却して次の目的地へ。海岸沿いに10分ほど下ったところにある“アラホホの潮吹き穴”です。このあたりはラグーンになっていないため外洋に接しており、強い波が崖にあたって、道路の下をくぐって小さな穴から間欠泉のように吹き上げるというものです。潮吹き穴も面白かったけど、大きな波でサーフィンをしている地元のサーファーたちもなかなかの見物でした。それからちょっと島の内側に入って、“ファアルマイの滝”へ。ここはまあ何ということはない滝なので、車から遠巻きに眺めただけで撤収します。木が茂っていて蚊が多そうだったので、これまで散々蚊に刺されて悲惨な状況になっている我々としては、畦道を辿って滝壷の近くまでいこうという気にはとてもなれなかったというのが正直なところなのですが。

 ファアルマイの滝を過ぎると、そのあとはしばらくこれといった見どころはありません。海岸に沿ってのんびりしたドライブを楽しんでいるうちに、徐々に日が暮れてきました。と、そこで、日曜の夜だというのに開いているスーパーを発見。島の裏側で観光客などほとんど来ないようなところなので、地元パワーが満ち満ちています。そのあとゴーギャン博物館の前を通りましたが、もちろん既に閉館しているので素通り。そうこうしているうちに真っ暗になりますが、(大晦日を控えてか)沿道の民家がどこも綺麗に電飾をかざっており、夜のドライブも粋なものになりました。そうしてようやく島を一周、ホテルに戻ってきたところで、ホテルの近くの中華料理屋で夕食。夜9時頃にホテルに戻り、デイルームに入ります。途中で何組か他のお客さんが来ることもありましたが、ほとんどの時間は貸しきり状態で、のんびりとシャワーを浴びたりしながら出発時間を待つことができました。12時半に再度ホテルを出発、空港でレンタカーを返すと、あとは午前3時半出発のニュージーランド航空を待つのみです。タヒチで過ごした11日間をゆっくり思い起こすには、いささか寝惚けたままの出発でしたが、とにかくこうして我々はタヒチを後にしたのでした。


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