イグアナ

ビーチ昼寝編 (2002/8/21〜8/22)


●遠くにあるホテル

エルサノバナーノ  パケラからの道は、民家すらほとんどない典型的な田舎道であったが、そこに突然モンテズマの街が現われ様相は一転する。モンテズマの街は、T字型に交わった2本の短かい通りに沿って店が並んでおり、2本の道はそれぞれ50mぐらいしかないのだが、そこだけはかなり観光地風の賑わいである。そこでさっそく今日の宿である“エル・サノ・バナーノ”を探すことにする。このホテルは、ビーチのホテルと、街中のホテル兼レストランの2軒を運営しているらしいのだが、ビーチの方はどこにあるのかわからないので、とりあえず街中の方に行ってみた。ここにもちゃんと英語の話せる人がいて、すんなりチェックイン。それでは車でホテルに向かおうか、というところで呼び止められた。「ビーチのホテルには車では行けません。私が送っていくので車はここに停めておいて下さい」だと。うーむどういうことだろう。とにかく店員の運転するサファリだか何だかの武骨な4WDに乗り込む。通りの末端まで走ったところでどうするのかと思ったら、とても道とは思えない(というか全く道ではない)岩の上を超ゆっくりと走り出した。1分ぐらいかけて10mぐらいの岩場を越えたらあとは砂浜である。そして約1kmの砂浜ドライブの後、どうやらホテルらしきところに辿り着いた。

 街から離れてはいるが、ホテルとしての設備は問題なさそうだ。数軒のバンガローが点在し、プールもあり、その奥に三階建ての建物があった。ここに我々の部屋があるらしい。そして運転手いわく「食事は街まで歩いて食べにいって下さい。15分ぐらいです。夜は真っ暗になるので懐中電灯を忘れずに」とのこと。こりゃなかなかワイルドではないか。ちょっとワクワクしてきたぞ。ちなみに部屋はごく普通のホテルの部屋ぐらいの広さで、思ったほど虫もいないし、なかなか快適であった。

●ビーチで過ごす一日

ビーチ2 ビーチ1  しばらくプールなどでのんびりしてから、街へ夕食を食べにいくことにする。ボチボチ暗くなってきているので懐中電灯をつける。夜の浜辺の散歩もなかなかオツなものではないか。街は若者の喧噪であふれている。レストランも何軒かあるようだが、エルサノバナーノのレストランが一番旨そうなので、そのまま入ってしまうことにする。良心的な値段で、味もなかなかだ。それにオリジナルのフルーツジュースが何種類かあり、これがなかなかいけた。食事が終わってコーヒーを頼んでくつろいでいると、店内が暗くなり、映画の上映が始まった。なんでも毎晩DVDの上映会をやっていて、食事をした人はそのままタダで見られるらしい。どうしようかと思ったが、あまり面白そうな映画ではなかったのでコーヒーを飲み終わったところで店を出る。土産物屋をちょっと覗いて、スーパーでビールを2本買って部屋に戻る。もちろん帰りも散歩15分・懐中電灯つきである。部屋に戻ってしまうとこれといってすることもないが、波の音が心地良く、読書などしながら夜が更けていくのを堪能した。

 さて次の日。普段は旅行先では朝なんて寝惚けたままで、コーヒーを飲んだりなんだかんだしているうちに少しずつ目が覚めてくるのであるが、今日はそうも言っていられない。とにかく15分の散歩をしないことには朝食にありつけないのである。顔を洗ってシャキッと目を覚まし、服を着替えてさあ出発。写真を見るとわかる通り、街にむかって浜辺を歩いている二人連れがやけに多いのは、もちろんみんな朝食であろう。途中、道でイグアナを発見したりもする(一番上の写真)。朝食は宿泊料に含まれているのだが、レストランのメニューを何でも注文して良いそうで、なかなか素晴らしいサービスである。私はホットケーキを注文したが、ホテルの名前の通りバナナが入っていて、これもなかなか旨かった。食後は街をブラブラした後、別のベーカリーで昼食用のサンドイッチを買って帰ることにした。今日はどうせ一日のんびりするつもりなので、また延々と歩いて昼食を食べにくるのも面倒だしね。

 部屋に戻ると、あとは夕食まで何もすることはない。水着に着替え、冷蔵庫からビールを出して浜辺に出る。海に入ってみたが、波はかなり強いし、わりとすぐ深くなっているので、泳ぐというよりは浸かるぐらいの感じだが、まあもとよりそんなに泳ごうという気もない。浜辺に沿って街と逆の方に歩いていくと滝がいくつかあるというので、サンダル履きで歩いていってみたが、一つ目の滝がショボかったので、足も痛いしそこから先はやめにして戻ってくる。そうこうしているうちに小腹が好いて来たのでサンドイッチを食べ、その後は一旦撤収してプールに場所を移すことにした。プールにちょっと浸かっては椅子で読書をするという繰り返し。要するに温泉三昧編とやっていることは同じである。その後、少し涼しくなってきたので、普通の服に着替えてハンモックで読書。そういえば、ホテルの敷地内の林には、なんとかモンキーとかいう小さい猿が沢山いた(写真はうまく撮れなかったけど)。というわけで、出来事を列挙してしまうと何の変哲もない一日が終わり、日が暮れようとしている。明日は移動日なので、実質この旅行の最終日のようなものであるが、こうして何もせずにのんびり過ごせるってのはいいことだ。タヒチのときもそうだったけど、あくせく動く観光と、こうして何にもしない日との組み合わせってのは、私にとっては理想的な旅行プランのような気がしてきたなあ。読書も進んだし。なーんてしみじみとしつつ夕食へ。今日の映画は「オーシャンズ11」だった。見始めたら結構面白くてやめられなくなりそうだったが、チェックアウトの準備やら何やらあるので、途中で席をたつ。明日の出発は早いので、今日のうちに店員さんに荷物を取りに来てもらうように交渉し、結局ついでに部屋まで送ってもらえることになった。4WDで夜の浜辺を走ったあと、あらかじめ荷造りしておいた荷物を渡し、チェックアウトの準備終了。今日も波の音がいい感じだ。


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