ゲレンデ1

第5日:ディアバレー (2002/12/28)


●8300円のリフト券

 今回のスキーも残りあと二日、残すはディアバレーとパークシティの二つのスキー場です。どちらもホテルからすぐなのですが、今日は是非ともディアバレーに行きたい理由があります。というのも、このディアバレーというスキー場、リフト券の値段がべらぼうに高いのです。一日券がなんと69ドル!(当時のレートで8300円)ちなみに他のところはだいたい5000円ぐらいです。ところで、我々の宿泊パックには、パークシティエリアの好きなスキー場の一日券が付いてきて、それが使えるのが今日だけなのです。(昨日でも良かったんだけど、チェックインせずにスキー場に行ってしまった)となると、当然高いリフト券を付けてもらった方が得ですよね。

 さて、そもそもなんでディアバレーのリフト券はこんなに高いのでしょうか。そのヒントになるのが、昨日の別荘の勧誘です。そしてもう一つ興味深いのは、入場制限をやっていて、それを越えるとリフト券を売ってもらえないということです。ここから推測するに、おそらくディアバレースキー場は不動産事業に力を入れていて、別荘の住民に快適なスキーを提供することを第一義としているのではないでしょうか。つまり、我々のような一見さんは「無理して来てくれなくてもいいんだけどね」ってなところなんでしょうかね。ともかく、前の日の晩にホテルのフロントで「明日のディアバレーのチケットを下さい」といったのですが、ここで予想外の答えが返ってきました。「人数制限があるので、明日はチケットを発券してもらえるかどうかわからないから、無料券もあげられない」というのです。どういう理屈だかよくわからないのですが、こちらも簡単には引き下がらず、「どういうことかはっきり説明せよ」と言い張ったら、支配人に聞いておくから明日の朝また来てくれ、と言われました。で、翌朝もう一度行ってみたのですが、相変わらず当を得ない答ばかり。しばらく交渉した結果「ディアバレーのチケットが買えるかどうかわからないが、自力で買って領収書を持ってきたら、その分宿泊費から引いてもいい」という回答を勝ち取ることができました。あとは急いでスキー場に向かい、入場制限前にチケットをゲットするだけです。

 シャトルバスを待っていると遅くなってしまいそうなので、車で行くことにしました。ディアバレーは街の一番奥にあるので、車で10分ぐらいかかります。到着すると、駐車場はまだ3〜4分の入りです。ともかく急いでリフト券売場に行きましたが、難なく二人分のチケットを購入することができました。さあ滑るぞー。

●ここでは上品に滑りましょう

リフト

 ディアバレーのスキ−場は、ホームページ等を見ると標高差914mとなっており、安比や苗場を上回るスペックとなっています。しかし実際のレイアウトを見ると、中規模の山が横に斜めにと繋がっていて、一気に900mを滑れるコースはありません。ひとつひとつの山は標高差400〜500mぐらい、まあこれでも十分な滑り応えはあるんですが。

 駐車場から最初のリフトに乗り、Bald Eagle Mt.というピークを越えます。ピークのすぐ裏側で降りたところが中心地になっているのは昨日のザ・キャニオンズと似ています(つまりサンアルピナ鹿島槍にも似ているということ)。ここからBald Eagle Mt.の方に戻るか、あるいはBald Mt.とFlagstaff Mt.という二つの山のどちらかに登るかという選択肢があるのですが、我々が選んだのはそのどれでもない4つめの選択肢、すなわち朝食です。とりあえず目についたレストハウスに入ったのですが、さすがに別荘リゾート、なかなか綺麗です。朝早いのでお客さんはほとんどいないのですが、ここでのんびりとコーヒーなど飲みながら、今日の予定を考えます。とりあえず食後の最初の目標は、Flagstaff Mt.と、その更に奥にあるEmpire Canyonということになりました。

 外はなんだか生温い風が吹いて、ちょっと不思議な天気です。まずは短かいコースを滑り、Flagstaffリフトに乗ります。Flagstaff Mt.は中級コースばかりの日本的な雰囲気。その奥のEmpire Canyonはディアバレーで最も標高が高く、山頂からはコブコブ斜面もあります。また、山頂からはパークシティの街やスキー場も良く見えます。まあコブコブといってもスノーバードなんかに比べればたいしたことないし、距離も短かいし、それに「ここは別荘リゾートだから」と思って見ると、周囲の人々もなんだか上品に滑っているような気がしてきます。そういうわけで、いつものカッ飛び滑りは自粛してのんびりと滑ろうかと思ったのですが、リフトから良く見ると、尾根を歩いて急な壁の方に向かっている集団を発見!いわゆる"Bowl"です。うーむ、ちょっと心惹かれるものがありましたが、入口まで行ってみたらクローズのロープが掛かっていました。というわけで、そのまま上品に中級コースを降り、これでEmpire Canyonエリアは終了。それからはボチボチと、今度は逆向きのリフトに乗りつつBald Eagle Mt.方面に戻っていきます。こうして駐車場前まで戻ってきたところで、ちょうどお昼タイムとなりました。

●30分間のゴンドラ乗車

景色  食後は朝と同じリフトでBald Eagle Mt.に登った後、今度はBald Mt.へ。ここは手前側に中級コースがいろいろ、裏側は主に上級コースという感じになっています。コースはどれも1000mぐらいの長さで、日本で滑っているような気分で滑ることができます。ここでしばらく滑ったら、連絡リフトでBald Eagle Mt.へ戻り、今度はその横っちょにあるLittle Baldy Peakという所へ。ここはまあおまけみたいなところですが、スキー場の裏側のJordanelleという所に降りていく長〜いコースがあって、他とはちょっと違った景色(右の写真)を見ることができます。このコースの途中には「別荘居住者専用」と書かれたコースがいっぱいあって、我々貧乏人をシャットアウトしています。まあ実のところ単なる連絡コースなんですが。

 Jordanelleからは、Little Baldy Peakに戻るゴンドラに乗ります。ところがこのゴンドラが遅い。いつもこんなに遅いはずはないので、たぶん外で吹いている生暖かい風のせいでしょう。2000mぐらいのゴンドラだと思うのですが、山頂についたのはおよそ30分後のことでした。まだまだ滑れると思っていたのに、とんだ時間のロスです。ともかく急いでスキーセンターのところに戻りました。これでディアバレーの大部分は滑りましたが、スキーセンター正面のBald Eagle Mt.を、まだほとんど滑っていないのです。

オリンピックの看板  さっそくリフトに乗って山頂に到着。ここから中級コースをちょっと降りたところで、右の写真の看板を発見しました。ここに書かれている通り、ディアバレーでは2002年冬季オリンピック・モーグルとスラロームの競技が開催されたのです。どっちに行ってみようかな、というわけで私が選んだのはモーグル会場となった"Champion"というコースでしたが、まあどうってことありません。飯綱の"里谷多英コース"みたいに「モーグルだぞ〜!」って売り出す気は全然ないようで(そりゃ別荘リゾートだもんなあ)、コブの整備などもしておらず、ごく普通の上級コースでした。滑降をやるようなところは、その素材だけでも十分に面白いんだけど、モーグルとかスラロームって、ちょっとした斜面をそのときだけ整備すれば出来ちゃうからなあ。

 時間があれば、スラロ−ム会場となった"Know You Don't"(ヘンな名前ですね)も滑りたかったのですが、残念ながらここで時間切れ。もっとも下から見た限りでは"Champion"とウリ二つのようでした。十分に滑って満足して宿に戻ります。そうそう、Radisson Hotelのフロントでディアバレーのリフト券、二人で$138の領収書を見せたら、ちゃんと宿泊費から値引きしてくれました。めでたしめでたし。あとは、今日も温水プール&ジャクジーでしばらく休憩してから、昨日と同じようにシャトルバスで夕食へ。今日のお店は"Happy Sumo"という和食屋さん。なんだかふざけた名前ですが、デンバーで修行をしたというアメリカ人の板さんが握る寿司は、なかなか美味でした。


 第6日:パークシティに進む


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