国旗

巨大ロコスキー場編 (2004/3/7)


●地元スキー場で足慣らし?

ゴンドラ乗り場  ただの寄り道と思って宿を取ったアヌシーの街ですが、実はアヌシー湖に面して、風光明眉で知られる街だったりします。本当は早起きして散歩でもしてから出発したかったのですが、昨夜の疲れもあってなかなか起きられず、そそくさと出発することにしました。とはいえ、車で通るだけでも、運河沿いの小道などがいかにも湖畔の避暑地という雰囲気を感じることができます。

 我々が選んだのは、ここから車で30分ほどの、"Le Grand Bornand"というスキ−場です。シャトルバスで5分かそこらの所に、"La Clusaz"というスキー場があって、二つ合わせて"Massif Des Aravis"というリゾートを形成しています。で、どっちに行こうか考えたのですが、初日の足慣らしだし、狭い方でいいだろうと思い、標高差やリフト数などから"Le Grand Bornand"を選ぶことにしました。日本では恐らくまったく知られていないスキー場ですが、小さい方といっても実はなかなかのスペックです。標高差800m、ゴンドラ2本を含めてリフト38本というのは、安比とか苗場なんかと同じぐらいでしょうか。

 アメリカと違って、ヨーロッパのスキ−場はどこも雑然としていて、まずは駐車場を見つけるのが大変です。どこに停めたらいいのかと、あたりを見廻しながら運転していたら、ゴンドラ乗り場のすぐ横にたまたま空きが一台分あって、そこに誘導されました。ラッキー。それからレストハウスで簡単な朝食を取り、いよいよスキー開始です。同行者はもともと板を持ってきていないし、私の板も紛失中なので、まずは二人分のレンタルスキー。思いきっていつもよりだいぶカーブのきついのにしてみました。それからリフト券を買って繰り出します。ベースからは2本のゴンドラのどちらかに乗るのですが、片方は初心者エリア直行という感じで、ほとんどの人はもう片方のゴンドラに乗ります。

 

スキー場全景  麓からはゲレンデの様子はほとんど見えないのですが(ごりん高原のような感じ)、ゴンドラを降りると、右の写真のように真っ白い斜面が視界に入ってきます。目の前にあるのは、標高2100mの最高点まで行く6人乗りリフトです。これを登っちゃうと、上級コースか最上級コースしか無いので、同行者がちょっと心配ですが、まあ何とかなるだろうということで山頂を目指しました。それにしても、地元の人しか行かないようなロコスキー場だと思ってなめてたら、凄いですね。山頂からの360度パノラマは、志賀の横手山頂に勝るとも劣らない絶景です。雪質も大満足。ちょっと急な上級コースを降りていきますが、コンディションが良いのでまあ何とかなるようです。

 山頂から裏の方に降りていくと、今度は初中級者コースが四方に広がっています。ヨーロッパの通例として、Jバーリフト(Teleskiと呼ばれているようですが)が沢山あります。Teleski初体験の同行者は、いきなり1000mクラスの長いやつに挑戦でしたが、何とか乗りこなせたようです。その長いTeleskiの先には、さらに奥に向かってコースがあります。こりゃロコスキー場どころか、下手したら3〜4日滑っても十分に満足できそうなレベルだなあ、なんて思いつつ、さらに奥へと進んで行くのでありました。

 一番奥まで到達して、それからさっきの初中級者エリアまで戻ってきたところで昼食にします。といっても同行者を先に行かせ、ここぞとばかりにリフト下の最上級コースへ。しかし慣れないカービングスキーのせいか、終始守りに入っての滑りで、「日本男児ここにあり」というのを見せつけるところまでは行けませんでした。昼食はステーキとスープを二人で分け、食べ過ぎない程度ですませると、午後はベース方面へ戻りつつ、脇にある中級者コースなどを滑っていきます。最後にもう一度、ひとりで山頂へ。最上級コースを颯爽と小回り、と思ったら大転倒。まあ雪が良いのでどうということは無いのですが、切れ過ぎる板に慣れていないのか、コブに振り回されてしまってあくせくしながらどうにか降りてきました。最後は初級者コースを通り、乗らなかった方のゴンドラ山頂駅に到着。さらに麓までの下山コースもあるのですが、雪の付きが悪くて閉鎖のようで、おとなしく下りのゴンドラで帰ります。今日はこれから2時間ほどのドライブなので、まあスキーは八分目でやめておきましょう。

●いざ、トロアヴァレーへ

レンタカー 街並み  レンタルスキーを返したら、愛車Poroに再び乗り込み、さあメリベルまで2時間のドライブです。まずは着た道を戻り、途中から"La Clusaz"方面へ。スキ−場に入ると、"Le Grand Bornand"とはまた一味違った魅力的なスキ−場のようです。またいつか、こっちで滑ることがあるかなあ。で、そのままスキー場を突き抜けて行く予定でしたが、どうも道が細そうで心もとないので、予定を変更して来た道を戻ることにしました。アヌシーに戻る途中から別の道に入ってアルベールビルに向かいます。クネクネと細い道で運転は疲れましたが、30分ほどで大きな道に出たかと思うと、程なくアルベールビルの街に入りました。ここは1992年冬季オリンピックの開催地ですが、そうとは思えないようなこじんまりとした街です。オリンピックセンターとかあるのかなあ、と思いつつ街を通り抜け、アルプス方面へ向かいます。ムーティエという小さな街を過ぎるといよいよ山深くなり、やがて"Val Thorens"という看板が。「トロアヴァレー」というのは「三つの谷」という意味ですが、ここはそのうちの一つめの谷への入口です。これを見送ってしばらく行くと、次に"Meribel"という看板が現れました。ここで街道を反れ、二つめの谷に入ります。ちなみにもう少し先には、三つめの谷"Courchevel"に向かう道があるはずです。

 ここからは一気に山登りの道になり、右に左に曲がりながら標高を稼いでいきます。車はノーマルタイヤ、チェーンも用意していないのですが(必要そうならどこかで買うつもり)、幸い(?)ここしばらく雪は降っていないらしく、運転は問題ありません。しばらく走ると、左手にゴンドラが見えてきます。これは、麓の街とメリベルとを結ぶ連絡用のゴンドラで、普通のリフト券に追加料金を払って乗ることができるようですが、我々はメリベルの村の中に泊まるので、今回は乗ることはありません。そのゴンドラの途中駅のところにも小さな集落があり、別荘らしき家が並んでいるのを見送って更に先に進むと、おおおおぉ、徐々にゲレンデらしきものが見えてきました。ついに世界最大のスキー場、トロアヴァレーの中心に位置する、メリベルの村に到着です。ここまで運転も順調で、予定通り暗くなる前に着くことができました。

 Hotel Doronからのメールで詳しい道順を聞いていたので、迷うこともなくホテル前へ。とりあえずチェックインして荷物を降ろし、車をちょっと離れた駐車場に停めてきます。ジュネーブ空港で紛失した私のスキー板は、我々より先に到着していました。ホテルの部屋は、まあ値段を考えると悪くないか。決して綺麗ではありませんが、ビレッジの中心部で便利なことこのうえないし、ゲレンデまでも徒歩30秒です。落ち着いたらさっそく夕食を取りに外に出たのですが、ここらは宿泊に夕食込みというところが多いらしく、フラッと入って食事ができるところが意外と見つかりません。結局たまたま見つけたホテルのレストランで、サボア地方の名物チーズフォンデュを食べたのですが、まあ着いて早々に名物を食べられたわけで、結果的には良かったかな。


 世界最大のスキー場・メリベル編に進む


戻る / 旅行記の表紙に戻る / スキーの表紙に戻る