首都帰還編 (2002/8/23〜8/24) |
モンテズマ出発の朝。ガイドブックで帰りのフェリーの時間を調べ、そこから逆算して2時間半ほど前に部屋を出る。手荷物だけ持って最後の15分散歩をした後、4度目のエルサノバナーノレストランで朝食。この日に食べた「スクランブル・トウフ」は非常に美味しかった。それからチェックアウトしていよいよ出発。45分ほどのドライブでパケラに着けば、出航まで45分ぐらいの余裕があるという計算である。
一度走っている道なので慣れたもので、ほぼ予定通りの時間に到着。「今日はあんまり車が並んでないねー」なんて言いながらターミナルのチケット売り場に歩いていくが、それにしても人が少ない。んんん?とちょっと不安になりながら沖を見ると、なんだか見なれた船のようなものが進んでいる。ちなみに桟橋には船はいない。窓口の兄ちゃんに「次のフェリーは?」と通じない英語と身ぶりで聞いたら、「2時30分」とスペイン語で教えてくれた。
オーマイガー!
なんとガイドブックの時刻表は誤りで、我々は貴重なプンタレナス行きのフェリーを逃してしまったのである。次のフェリーは3時間も待たなければならない。なんてこったい。しかしここで私はひらめいた。ガイドブックによると、ここから数キロ先のナランホとかいう港からも、プンタレナス行きのフェリーが出ていたはずである。もはやガイドブックを信じる気にはなれないので、そっちの港の次のフェリーが何時かはわからないが、とりあえず行ってみる価値はある。我々は即座に車をUターンさせた。
パケラの街を出るまでの10分ほどは快適なドライブ。しかしそこからこの旅最後の悪路爆走編が待っていた。海岸沿いの道かと思ったがそうでもなく、アップダウンの繰り返し。もちろん舗装なんかされておらず、しかも通る車も少ないのか、モンテベルデを遥かに越える酷い路面状況である。乾いてはいるが、それでも4WDでなかったら迷わず引き返したくなる道だ。たかだか20km強の道の運転で、クタクタになってしまった。それでもとにかく40分ほどでプラヤ・ナランホ着(ちなみにプラヤとは海岸というような意味だと思う)。おお、いい感じに車の列が出来ている。15台目ぐらいのところに車を停め、チケットを買いにいくと、ちょうどあと30分ほどで出航だという。天は我々を見放さず。信じる者は救われる。わはははは。ついでにその30分の待ち時間のあいだに昼食を取ることにした。すぐそこにある食堂ではまったく英語は通じず。ずっと英語オンリーで来たこの旅も、最後に思わぬ展開で片言スペイン語大活躍である(ってジュースとサンドイッチ頼んだだけなんだけど)。でも観光ずれしてない港だから、こういう食堂のサンドイッチも旨いんだよねえ。やがてフェリー出航。1時間ほどののどかな航海の後、当初の目的地であるプンタレナス港に無事到着した。
あとはハイウェイをかっとばし、勝手知ったるサンホセの街に戻るだけである。このまま行くと夕方4時過ぎにはサンホセに着きそうだ。博物館などはもう閉まっている時間なので、ホテルでくつろいで夕食を食べにいくぐらいかなあ、と思ったが、せっかくなので時間を有効活用したいという気にもなってくる。地図を見てみると、サンホセのちょっと手前にポアス山とかいう火山があるらしい。標高2700mほどで、独立峰に近いので眺めも良さそうだ。ハイウェイから横に逸れて1時間ぐらいで行けそうなので、ここに寄っていくことにした。行きにも通ったSan Ramonを過ぎ、空港まであと少しというところで左に逸れる。2700mまで登っていくだけあって、ここからはひたすら登り坂である。Greciaとかいうちょっと栄えている街を過ぎ、あとは延々とドライブ。それでも辺境と違って舗装されているので楽なもんである。牧場などを見ながらガンガン登ること約1時間、いよいよ山頂だと思ったら、そこにはゲートが。そしてそこにあったのは"closed"の文字。なんだよー、こんなとこまで公園にして、しかも時間外は完全閉め出しだなんて。そういうわけで、山頂付近には残念ながら近づくことすらできなかったが、それでも山頂直下からの中央耕地の眺め(右の写真)は十分に楽しむことができたし、そのちょっと下からは、カリブ海側に広がる平野部の様子も見ることができた(カリブ海そのものは見えなかったけど)。眺める以外にすることもないので、そそくさとサンホセに向かって山を降りる。途中で日が暮れて暗くなってしまったが、夜7時過ぎには一週間ぶりのホテル・ブリタニアに帰って来た。
さっそく夕食を食べに街へ繰り出す。まだあまり遅くないせいか、それともこの国に慣れてきたのか、先週感じたような怖さはほとんどない。中心部をブラブラして、結局ちょっとさびれた感じの中華料理屋に入った。ここも英語はまったく通じないが、中華なのでメニューに漢字があり、なんとなく注文したら、鶏肉の酢豚風のようなものが出て来た。
最終日の出発便は朝早いので、朝食も取らずにチェックアウトして、そのまま空港へ。途中の有料道路で"Quanto?"なんて聞ける余裕が出てきたのも、昨日あちこちでスペイン語を使ったおかげだねー、なんつって、"Sesenta"という答えにニコニコして50コロンを渡す。「すごーいスペイン語ペラペラじゃ〜ん」などと誉められていい気になっているところで気付いた。Sesentaって60コロンじゃんか。こんなところでキセルしちまったぜ。そんでもってマパチョレンタカーに到着。返却手続きも無事終わり、空港まで送ってもらっていよいよ今回の旅行も終了である。空港の入口で空港使用料を払わなければならないのだが、手持ちのコロンでギリギリ払えるかなー、と思ってカウンターで数えてみたら、20円ぐらい足りない。「ちょっとだけドルで払えますか?」と聞こうとしたら、係員が「ん?いくら持ってるんだ。それだけか。まあそれでいいから全部置いていきな」ってな感じで通してくれた。いい加減な国で良かったねー。
あとはダラスまで4時間、乗り換えて更に3時間のフライト。ホテルを出たのは早かったのに、ピッツバーグ空港に着いたのは夜10時過ぎだった。それからバスとタクシーを乗り継いで無事帰りましたとさ。