第6日:パークシティ(2002/12/29-30) |
いよいよスキーができる最終日です。最後に残ったのはパ−クシティスキ−場。正確にはPark City Mountain Resortとかいって街の名前とは区別しているようですが、日本では「パークシティ」とだけ呼んでますよね。今日も車でスキー場まで行き、リフト券を買ってからレストハウスで朝食、昨日と同じパターンです。しかし今日はどうも天気が悪い。最終日なんだからこれ以上雪が積もらなくてもいいし、どちらかというと景色優先でお願いしたいのですが…。
ザ・キャニオンズやディアバレーでも、「レイアウトが複雑」なんてことを言いましたが、ここパークシティは更にその上を行く複雑さです。リフト券を買うともちろん地図をくれるのですが、これを見てすぐにレイアウトをイメージできる人はまずいないでしょう。尾根と谷が複雑に絡み合った地形は、滑ってみて初めて理解できるところばかりです。そういう地形のせいか、コースの方も細切れになっているところが多く、全体的に日本のスキ−場を思い出させる雰囲気があります(なんか新潟あたりのスキー場のような天気だったせいもあるかもしれませんが)。全体では930mの標高差がありながら、細切れになっているため500mぐらいに感じるというのは、昨日のディアバレーと同様です。
さて、とにかく雪が降ってて景色も見えないし、とりあえず上に行くしかないだろうということで、麓からリフトを乗り継いでいきます。このスキー場のもう一つの特徴は、やたらと6人乗りリフトがあるということ。これまでニュージーランドのTreble ConeとペンシルバニアのSeven Springsで6人乗りを見たことはありましたが、ひとつのスキー場に4つもあるのは初めてです。そのうちの3本を乗り継いで、Mcconkey'sというエリアにやってきました。ここには、Bowlと呼ばれる急斜面もあるのですが、この天気では滑る気にもなれません。おとなしく尾根沿いの中級コースなんかを滑ることにしました。そこから隣りの尾根に架かっているPioneerというリフトに乗り、反対側の斜面に出ました。途中、ジュピターボウルと呼ばれる上級エリアへの入口があるのですが、悪天候のせいか閉鎖されていました。さて、このあたりはパークシティの中でも一番広々としたところで、Thaynes, Motherlode, それにKing Conとかいう変な名前のリフトがかかっています。それぞれのリフトの左右には、広くてそこそこの長さのコースがいくつも伸びています。上の写真はSilverlodeという6人乗りリフト乗り場のちょっと上で写したもの。ここは、幅広いコースの中央に大きな木がそびえたっていて、トマムの「最上級者限定コース」をちょっと思い出しました。
さて、そろそろお腹が空いてきたのですが、このあたりは人が集まるところなのか、レストハウスがどこも混雑しているようです。仕方がないのでPioneerリフトのところまで戻り、斜面の途中の目立たないところにあるレストハウスで昼食。ロケーションといい建物といい、蔵王とか赤倉なんかの昔からある食堂って雰囲気です。もちろん混雑なんかしてないし。外は寒いので、食後もしばらくはのんびりしていましいた。
さーて最後にひと滑り、と思ったら、幸運にも天気が良くなってきました。今日三度目のPioneerリフトに乗ったあと、「もしかして」と思ってジュピターボウルの入口を覗いてみると、ラッキーなことに開いているようです。よし!ジュピターボウルは最上級コースばかりなので、ここからは妻とは別行動。あんまり褒められたことではないのですが、例のごとく単独行動に移ります。ほどなくJupiterリフトの乗り場へ。リフトに乗ると、ボウルを囲む尾根の稜線、そしてそのいたるところから降りてくるシュプールの後が見えます。写真では良く見えませんが、白く写っているところはほとんどシュプールがあると考えて下さい。さあて、時間的に考えると滑れるのは一本だけだし、う〜んどこに行こうかなあ、なんて悩むのも楽しい時間ですね。結局この写真の右端から尾根伝いにちょっとだけ登り、そこから斜め左に木の間を縫って滑ることにしました。このあたりも既に大勢の人が滑ったようですが、目をこらし、シュプールの無い場所を探して降りていきます。今朝からずっと雪だっただけあって、あたりは膝ぐらいの深さのフワフワパウダー、そこに自分だけのシュプールが刻まれていくのを実感しながらのスキーを満喫しました。
ジュピターボウルを抜けて普通のコースに戻ると、そのまま谷底を縫うように滑って"King Con"リフト乗り場へ。このリフトで登ってきたところは街に面した尾根の上で、ここからひと滑りで駐車場に戻ることができます。そしてこの戻っていくコースが、2002年冬季オリンピックの男女大回転が行なわれた場所ということで、最後に滑って帰ろうと思ったのですが、あいにくレースの準備か何かで閉鎖になっています。ここのコースが滑れないと、戻るのは意外に大変で、まずはもう一度裏側の谷に降り、Silverlodeリフトでグーッと奥の方に戻ってから、ようやく徐々に降りていくコースに合流しました。最後は麓で"Pay Day"というリフトに乗り、宿に戻るスキーヤーで混雑するコースをのんびり滑って今回の滑りおさめです。
宿に戻ると、いつものようにプールに向かいます。天気が良くなったので、湯気の向こうにパークシティのスキ−場が良く見えています。温泉でこそ無いものの、ジャクジーに浸かって「今日はあそこのコースを滑ったんだねえ…」なんて話していると、自然と疲れもとれてきます。アメリカのスキー場の宿は、どこに行ってもほとんど必ずジャクジーが付いているのがいいですね。ヨーロッパではなかなかこうはいきません。そうこうしているうちに外も暗くなってきました。一昨日のヴェトナム料理屋さんが美味しかったので、今日も同じところに行くことにしてシャトルバスに乗ります。相変わらず賑わっているお店でヴェトナム料理を満喫した後は、お土産屋さんなどをちょっと覗いて戻ってきました。
翌朝、帰りの飛行機の時間があるので、今日は早起きです。来る時と違って、東に戻ると時差で2時間損するので、朝かなり早く出てもピッツバーグに着くのは夜になってしまうのです。ともかく荷物を車に積み込み、快適な3日間を過ごしたRadisson Hotelをチェックアウト。ザ・キャニオンズの前を過ぎたら、3日前に朝食を取ったサブウェイに到着。ここで今日も朝食を取り、そのあとはハイウェイに乗って空港に向かいました。レンタカーを返して順調にチェックイン。山の方を振り返ると、今日も良い天気です。ジュピターボウルは今日も楽しいだろうなあ……。なんて思っていると、ほどなくシカゴ行きのフライトが出発。ロッキ−上空を越えて約3時間でシカゴに到着です。そこで乗り換えてピッツバーグに着いたのは12月30日の夜、新年まであと30時間を切ったところでした。