フラワーベッド

その4:ウェディング編 (12/21)


●ポリネシアン・ウェディング

 ボラボラ2日目は、結婚式の日であります。といっても、夕方までは特にすることもありません。ビュッフェ形式の朝食でお腹いっぱいになった後は、ひと休みしてからバンガローの前でシュノーケリング。部屋のすぐ前はちょうど足がつくぐらい、ちょっと先に行くと深くて泳ぎやすくなるぐらいという最高のロケーションです。ちょっと泳いだらテラスに上がって読書、しばらくしたらまた泳ぐという、まさにリゾートを絵に書いたような過ごし方です。朝食をたっぷり食べたので、昼はあり合わせのものを部屋で食べてすませ、そうこうしているうちに午後4時、いよいよ結婚式の時間です。

結婚証明書 神父さん  進行役の人たち(もちろんみんなポリネシアの民族衣装を着ている)が入ってくると、新婦はバスルームに連れていかれ、私はベッドルームに残り、それぞれパレオに着替えさせられます。要するに腰ミノですね。それから私はテラスに出ます。ふと下を見ると、ちゃんと迎えのカヌーが来ています。で、私がそのカヌーに乗って式場となるビーチに連れていかれる間に、新婦は陸路を辿って同じところへ向かうわけです。まさかそこで走っていくわけにもいかず、ゆっくりと先導されてしんみり歩いていくので、カヌーに乗った私は沖合いで時間調整をします。ビーチには、ヤシの木の葉っぱやら色んな花やらを敷き詰めて、即席とは思えない綺麗な会場が設えてあります。そして、そこで待ち構えているのが、今日の式を司る神父さん(でいいのかな、とにかくポリネシアの宗教を司る役割の方)です。右の写真ですね。ご覧のとおり、なかなか圧倒される風貌と衣装であります。この方が、英語とタヒチ語を交互に使いながら、粛々と結婚式を進行していくわけですね。新郎新婦それぞれの手首にヤシの木の葉っぱを細く割いたものを巻き(ミサンガみたいな感じ)、「これは結婚式の神聖さを象徴するものです。今夜部屋に帰り、ドアのノブに手をかけたときに外すように」なんてことを言われます。それから「聖なる山で汲んだ聖なる水」とやらをその手にかけます。あとは、指輪の交換(これは西洋人や日本人がやりたがるので取り入れたって感じ)とか、誓いの言葉とか、そういうオーソドックスな儀式が続きます。そうそう、面白いのは、結婚した二人のために、タヒチの名前をつけてくれるんだそうです。ちなみに我々の場合、ariioehau tane と ariioehau vahine という名前をもらいました。taneは男、vahineは女を表します。ついでに子供が生まれたときのために、男の子用の名前と女の子用の名前まで考えてくれたりして、至れり尽せりです。で、一連の儀式が終わると、結婚証明書というのをくれます。右の写真ですね。何ケ所か間違えて、上から紙を貼って修正してたりするのは御愛嬌でしょうか。でも上記のタヒチ名がちゃんと書いてあるのは嬉しいですね。

カヌーで送迎  一連の儀式が終わると、民族衣装をまとった女性たちが、タヒチの音楽に合わせた踊りを披露してくれます。それが終わると全員で並んで記念撮影。このへんが妙に世間ずれしてていいですね。それからフルーツカクテルを片手に、今度は夫婦そろってカヌーに乗り込みます。来る時は私の他に漕ぎ手が一人だけだったのですが、帰りは新郎新婦+漕ぎ手が二人+ギターを持った歌い手まで乗っての大所帯です。で、帰りは生演奏を聞きながら、カクテル片手にゆっくりとクルージングを楽しめるというわけです(ちなみにこのカクテルは結構アルコールが強くて、ガンガン飲んだら酔っぱらってしまいそうだった)。15分ぐらいかけて水上バンガローのテラスに到着。部屋に入ってみると、ベッド一面に花が飾って出迎えてくれました(いちばん上の写真)。

 これで結婚式は無事終了。ここで我々はやっと気付いたのですが、結婚式をやるため、カヌーでの送り迎えをやりやすく(もしくはよりドラマチックに)できるように、いちばん先端の部屋を割り当ててくれていたわけですね。そう考えると、ここでの結婚式は、思っていた以上にお得だったということになります。これだけの式次第に、写真が24枚、それに今夜のスペシャルディナーまでついて約11万円(ビデオは別料金2万円)ですから、これは絶対にお勧めですね。ちなみに12月のタヒチは雨期ですが、みごとに晴れてくれたのは日頃の行ないのなせる業でしょうか。その点だけはちょっと注意ですが、何日か滞在するのであれば、我々のように初日に結婚式を予定しておけば、雨の場合には順延してくれるそうです。

 さて、パレオから普通の服に着替えてしばらく休憩し、そろそろディナーの時間と思ったのですが、どうもバンガローが停電してしまったようで、電気がつきません。まあいいかと思ってレストランに行ってみると、どうやらこちらも停電の様子。それでもテーブルにキャンドルをともしてくれて、スペシャルディナー決行です。ディナーの中身は、まあ普通のフランス料理のフルコースってところだったけど、思いがけない停電が却って良い雰囲気を演出してくれました。

 こうしてボラボラ2日目、最大のイベント無事終了です。


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