世界最大のスキー場・メリベル編 (2004/3/8) |
旅行3日目の朝です。Hotel Doronの夜は、予想通り深夜までパブの歌声が聞こえてきました。私は気にせず眠ってしまいましたが、妻は閉店の一時まで寝つけなかったようです。ともかくそのパブで朝食。天気はあまり良くないようです。部屋に戻ると、ここまでの旅の疲れがでたようで、二人ともちょっと休憩します。うだうだしてたら昼近くになってしまいました。ボチボチ体調も復活してきたので、支度をして遅ればせながらゲレンデに出ることにしました。妻の分のレンタルスキーを借り、階段を登ったら目の前がゲレンデです。そこから300mぐらい滑り降りたところがスキーセンターでした。
あと30分で午後券が変えたのですが、ボーッと待ってるのも馬鹿らしいので、奮発して一日券を購入。ただし今日はあまり滑らないだろうということで、トロアヴァレー全山共通券ではなく、メリベルだけの券を買うことにしました。結果論から言うとこれで十分。というか、メリベルの中も更に二つのエリアに別れていて、アルピナ地区のみ、もしくはモッタレー地区のみというのにすると更に安いのですが、アルピナ地区だけの券でも十分だったかもなあ。
とにかく券も買ったことだしリフトに乗らなくては。目の前には、いきなりゴンドラが4本あったりします。(っつーか、麓から登ってきてるの入れると5本なんだけど)メリベルのゲレンデは、谷を挟んで両側に大きな斜面が2枚。谷の中央にメリベルの村があり、そのちょっと奥にモッタレーの村があります。ゴンドラは、その2枚の斜面のそれぞれに2本ずつ架かっている感じ。その中で、とりあえず移動に便利そうなTougneteというのに乗ることにしました。これがいきなり標高差1000mを一気に登ります。山頂駅からは、反対側に向かえば隣の谷のレ・メニュエールに滑り込むこともできるのですが、今日はメリベル側に引き返します。視界があまり良くない中、中級コースを降りていったところでレストハウスに到着。さっそく昼食休憩の妻を残し、中間駅から同じゴンドラでもう一本滑った後、私も昼食にしました。
午後は少し晴れてきたかなあ、と思ったのも束の間、すぐにまた雪が降り出します。そんな中、今度はモッタレーを目指して移動しながら滑ることにしました。モッタレーの村に着いたら再びゴンドラに乗車。Plattieresというこのゴンドラも、やはり標高差1000m程度を登っていくのですが、ここの山頂からのコースは今日のコンディションではちょっと大変そうなので、二つめの中間駅で下車。中級コースを降りることにします。途中で右手に"Mont Vallon"というピークに向かうリフトが見えてきて、この山頂駅がメリベルエリアの中では最高標高地点になります。ちょっと心惹かれるのですが、この天気では山頂に行っても面白くなかろうということで断念。代わりに短いリフトに1本だけ乗り、モッタレーの村に戻りました。
ボチボチ夕方になってきましたが、トロアヴァレーのリフトはかなり遅くまで動いています。谷と谷の間の連絡のことも考えているのでしょうが(最終リフトを逃すと、戻ってくるのにタクシーで2万円とかかかったりします)、4時や4時半は当たり前、中には5時過ぎまで動いているゴンドラもあります。モッタレーの村から、これまで滑ったのと反対側の斜面を登る、Pas Du Lacというゴンドラに乗りました。またしても1000m近い標高差を登りきり、着いたところはSoulireというピークの横。メリベルと、隣の谷のクールシュベルの境界です。もちろんもう夕方ですから、そのままメリベル側に戻ります。ここからは、天気が良ければ写真のような景色が見えるはずなのですが、吹雪で何も見えません。そんな中、写真でいうと真ん中のピークの左側に広がる斜面を、メリベルまで延々と滑っておりていくわけです。
最初はそれでもコースの境界ぐらいは見えていましたが、100mも行くと、10m先すら見えない状況になってきました。まさに「八甲田山死の彷徨」といった感じです。ちょっと離れて滑るとすぐに同行者とも逸れてしまいそうです。というか、そもそもどっちに滑ればいいのかまったくわからんし。100mぐらい進むと何かコースの境界らしき旗が見えたので進路変更、さらに100mぐらい進むと人の声が聞こえたのでそっちに向かう、そんな感じで降りていきます。ああ天は我を見放したか、そう思ったところで、ようやく少しだけ雲が薄くなってきました。あたりを見ると、どうやら半分ぐらいは降りて来たようです。視野さえ開ければまあ普通の中級コースなので、そこからはどうにか無難に降りてきて、さすがに今日はこれで撤収ということになりました。
そういうわけで、天候に恵まれなかった一日でしたが、滑り終わった頃から急に雲が動いていき、部屋の窓からも山頂が見えるようになってきました。この段階では、皮肉なことに、世界一のトロアヴァレーよりもロコスキー場のGrand Bornandに肩入れしたくなっていた我々ですが、どうやら明日の天気には期待できそうです。
レストラン探しに苦労した昨日の反省を活かし、今日は滑り終わったらまず宿の目の前のレストランへ。ここで昨日は「いっぱいです」と断られたのですが、今日は早めに食事の予約を入れてしまいました。それから街をブラブラしてお土産を買ったりして時間をつぶし、7時過ぎにレストランに戻ります。さすがに満員になる店だけあって、味はなかなか。満腹になって部屋に戻ると、今日も再びパブからギターに合わせて大声で歌う男達女達の声が‥‥‥。1時になるとそれまでが嘘のようにピタッと止んだそうですが(伝聞情報)。